1858年創業のヴァルカン(バルカン)を一躍有名にしたのが、1947年に発表されたクリケットキャリバー120です。

世界初の機械式アラーム腕時計として、ジャガールクルトメモボックスより１年早く製造されました。

非常に大きな音でこおろぎの音色に似ている事から「クリケット」と名付けられました。

1つのリューズで右回転させるとアラーム、左回転させると時計のゼンマイを巻き上げる独創的な機構でした。

1952年にはアメリカのトールマン大統領に愛用され、以降アメリカ歴代の大統領にも愛用されました。

その後、キャリバー401、406と受け継がれていきますがレベルダウンにより業績も悪化し、他社に買収されてしまいました。

2002年、バーナード・フレウリー氏により、スイス全盛期のキャリバー120をキャリバーV-10として復活させました。

キャリバーV-10は1948年に製造されたジャガールクルト キャリバー489に勝るとも劣らない手巻アラーム付腕時計No.1の傑作品で、まさに奇跡と呼べるでしょう。

ムーブメントにこだわる太安堂本店は無名のヴァルカンを真っ先に注目し、販売に力を入れてきました。

ところが輸入代理店の事情により輸入が永らく中断してしまいました。

ようやくヴァルカンの価値がわかる輸入代理店が現れ、輸入が再開されました。

10年近くのブランクがあり、サイズも39mmと大きくなり価格も高くなってしまいました。

しかし、デザインは流行に左右されない正統派のデザインで実際のサイズより小さく感じますし、価格も世界最高のアラーム腕時計がこの価格でも適正であると判断し、販売を再開致しました。

従来からの在庫は以前のままの価格で販売いたします。