モントルロロイ
戦争行為は肯定出来るものではありませんが、腕時計を含む工業製品は奇しくも戦争により進歩したものもあります。
その中の一つの軍用時計はアメリカやイギリスが有名です。
腕時計は
1、『小型である』
2、『視認性がある』
3、『耐久性がある』
という究極の目標が軍用時計により達成され進歩してきました。
アメリカでは1940年代の第二次世界大戦から50年代の朝鮮戦争にかけてハミルトン、ブローバ、エルジン、ウォルサムの四大時計メーカーにより手巻ムーブメントを使用した『タイプA-11』(メッキケース)『タイプA-17』(ステンレスケース)。
エルジン、ハミルトンの2社より同じく手巻ムーブメントを使用し防水性を高めるリューズカバー付ケースの『BUSHIPS』が製造されました。
『直径32mmのパーフェクトなケース』、『見易い文字板』、『耐久性のあるムーブメント』で前述の3条件を満たしたアメリカ軍用時計の頂点に経つ時計でした。
残念ながら3条件を満たした時計の生産はその後終了しましたが軍用時計のファンは世界に数多いのでここ10年間デザインだけを似せセイコーやミヨタ(シチズン)の自動巻ムーブメントを採用した直径40mmの自動巻時計は海外の多くのメーカーはレプリカとして生産されていました。
最近になり日本の モ ン トルロロイ(旧村松時計製造)からクォーツムーブメントですが日本のミヨタやスイスのロンダ社のムーブメントを使用する事によりオリジナルの直径32mmのケースで復活する事が出来ました。
2000年以来、デカ厚高額時計に反対し続けてきた太安堂本店にとってこの上ない朗報でした。
手巻ムーブメントを採用すれば20万円を超えてしまいますが、クォーツムーブメントを使用する事により直径31mm以下が可能になり、しかも2万円台〜という信じられない軍用時計が誕生しました。
復刻というよりは遊び心満載の楽しい時計なので『レプリカ』と呼ぶ事にしました。
BUSHIPSのリューズのパッキンは適格に再現されておらず、メーカーに改良の要望を出していますが今までにない時計ですので力を入れていきたいと思います。
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